土
12
6月
2010
『図南の翼』小野不由美著・講談社文庫
十二国記第五弾。
舞台は恭国。
先王が倒れて27年経ち、国が荒廃。
ほぼ同じ設定から登場人物が立ち上がり、王の選定を受けるべく登極す。
ひねりがきいているのは、主人公が12歳の女の子、珠晶であること。
困難な黄海の旅を通じて、
「道っていうのは、平らな地面が続いていることじゃないんだわ。そこを行く人が、飢えたり渇いたりしないような、疲れたら休んだりできるような、そういう、周囲の様子ごと道って言うのよね」
など、道行ごとに国に必要なものを体験を通じて学んでいく。
また世界の成り立ちについての疑問を、頑丘という流浪の民という視点を通じて、
「いったいこの世に本当に王が必要なのか? 王を失えば災異を招くというなら、王なんてものは幽閉してしまえばいいんだ。政など行わせなければいい。そうすれば有益なこともできんかわりに、無益なこともできんだろう」
と言わせている。
黄海を行く旅人の鎮護を司る、神・犬狼真君が、実は何百年か経った後の更夜であることがあかされる。
