土
08
8月
2009
『紅はこべ』オークシイ著・河出文庫
オークシイは、1865年生まれのハンガリーの男爵の一人娘。
本書のタイトルである、『紅はこべ』は、イギリスの路傍に咲く可憐な花の名前。古典ロマンの傑作で、フランス革命をイギリスからみた視点で描いた、不滅の純愛ミステリー。
フランス革命といえば、三部会の招集にはじまり、バスチーユの占拠、人権宣言、共和政の確立、ルイ16世の処刑、恐怖政治、テルミドールの反動など、ボナパルトの登場までつづく、政治的連続の事件か、貴族支配に対する、新興ブルジョワ階級の勝利として、とらえられることが多い。
しかしながら、なんといっても、断頭台、である。
一夜にして、何百人もの貴族が、ピストンのように送り出されつづけ、首をおとされた。その、禍々しいイメージと、血にまみれた歴史の暗部には、屈折した歴史的な感情が多層的に入り乱れている。
本書は、この暗黒時代のフランス、パリを舞台に、断頭台に送られる、貴族たちを救出する謎の組織『紅はこべ』の活躍を、実在の裁判官のフーキエ・タンビル、政治家ロベスピエール、皇太子プリンス・オブ・ウェールズなど、歴史的人物を配して、描いたミステリー。
この本を知ったのは、ちょっとした偶然で、三鷹に、ジブリの美術館があって、そこに、宮崎駿の本棚が、なんとなく、展示されていました。創元社の文庫と一緒に、なんとなく刺さっていた、とっておきの一冊です。
と申しますのも、ちょうど、昨日が、この頁をはじめて100日目で、ちょうど、この本が百冊目です。ワインじゃあるまいし、とおっしゃる向きもおられるかもしれませんが、そこはご愛嬌。ご笑覧くださいまし。
